小さく始めて、少しずつ育ててきた名前

私が新規就農したのは、2012年のことです。
屋号を決めるとき、ひとつ違和感に感じていたことがありました。
「〇〇FARM」や「〇〇農園」という名前が多い中で、もっと自由に、
一般企業のような発想で名前をつけてもいいんじゃないか。
独立するなら、そんな屋号にしたい。
ぼんやりと、そう考えていました。
そんなとき、師匠がふとこう言いました。
「森田守って、森と田んぼを守る人やんか。
農業やるために生まれてきたような名前やな。
今日から“もりたん”って呼ぶわ」
そこからでした。
「農業やるなら、いつか米も作りたい。
そのときは“もりたんぼ守米(マモルマイ)”って名前で売ったらおもろいな」
そうや、「もりたんぼ」や。
今思えば、ずいぶんシンプルな決め方です。
ただ当時は、基幹作物すら決まっていない状態。
はっきりしていたのは、農薬を使わない栽培をやる、ということだけでした。
結婚もし、子どもも生まれていた頃です。
農業一本で生計を立て、いつか家を建てる。
そんな現実的な目標を持っていました。
販売は個人のお客様を中心に。
呼びやすく、親しみやすく、どこかやわらかい。
そんなイメージで「もりたんぼ」という名前を育ててきました。
パクチーを基幹作物に据えたこともあり、
個人のお客様や飲食店との取引は少しずつ広がり、
デザイン業と並行していた時期を経て、専業農家へ。
就農8年目には、ようやく家を建てることができました。
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